山登りをさらに楽しく!山小屋で眠れない理由と快眠法

眠れないその他の理由

 

3000m級の高所登山では、この高山病を回避することが登頂成功のためには必須とされています。

 

登る時は、徐々に酸素濃度も低下していくので、意識してゆっくり歩行して、高度に順応させるようにする必要があります。下山する時は、逆に空気中の酸素濃度が上がるので、高山病の症状も自然に緩和していきます。

 

もともと普段は低い土地(平地)で暮らしている人が、ある時、標高の高い場所で眠ると、睡眠の質も悪くなります。終夜睡眠ポリグラフでは、レム睡眠や深いノンレム睡眠が減少して、寝床の中で目覚めている時間が長くなる傾向が確認されています。

 

これも、眠っている間に血液中の酸素濃度が減少していることが影響しているのです。もちろん、1カ月程度そこに滞在していれば、高度に体が慣れて、一時的に悪化した睡眠の質も回復する傾向があります。

 

こうした高山病にならなくても、山では眠れなくなることがしばしばあります。楽しい山行や仲間との会話もはずんで興奮すると、やはり寝つきが悪くなるものです。

 

枕が変わったことで眠れなくなる人は、高地の場合でも同様でしょう。更に、山のハイシーズンには山小屋は超満員になりますから、見ず知らずの他人と1畳に2~3人で眠らなければならないこともあります。当然こうしたスシ詰め状態だと、寝返りもできません。こうして眠れなくなってしまう場合もよくあるのです。